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2018年度法改正に向けた議論の動きをおさえておきましょう(通所介護・訪問介護編)
2017年11月29日

いよいよ介護給付費分科会の“第2ラウンド”が大詰め

各サービスの課題や検討すべき論点を整理する“第1ラウンド”を8月23日に、その後、各事業者団体からのヒアリングを9月に終えた後、衆議院選挙の影響でしばらく小休止となっていた介護給付費分科会。

選挙が終わるや否やの10月25日(水)より、いよいよ具体的な改正内容が見えてくる“第2ラウンド”が始まり、以降、11月の終わりまで毎週1回づつの高頻度で議論が進められています。

今回は、11月の議論の中でも特に多くの方が関係されているであろう“訪問介護”“通所介護”に的を絞り、特に気になるところを抜粋しながらポイントを確認してまいりたいと思います。

では先ず、訪問介護についてです(下記の資料は全て、介護給付費分科会資料より抜粋しています)。




「訪問介護」に関する論点(抜粋)とは

ここでは主に“基礎報酬”に影響を及ぼす可能性がある部分を抜粋して確認してまいります。大きくは2つです。

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【その1】
身体介護・生活援助の報酬のメリハリ強化
【その2】
同一建物減算の見直し

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【その1】に関しては、「現在の訪問介護員の要件である130時間以上の研修は求めないが、生活援助中心型のサービスに必要な知識等に対応した研修を創設し、その研修を修了した者が生活援助サービスの提供を担う」形をとることで、生活援助の基礎報酬の引き下げが行われることになる方向です。ただし、上述の通り、新たな研修を“創設”して“運用”する関係上、実施行までには一定の期間が必要になるものと思われます。

次に、【その2】に関しては、下記の表をご確認いただければ分かりやすいかと思われます。
※最下部の「資料1」をご覧ください

今回の見直しのポイントとしては、
(1)今まで養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に限って適用されていた同一建物減算の範囲を「一般集合住宅」にまで拡大されること、
(2)事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者のうち、「養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に居住する利用者の人数が1月あたり10人以上」「一般集合住宅に居住する利用者の人数が1月あたり20人以上の場合」には減算率の引き上げが実施されること、
の2点です。

特に(2)の「養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に居住する利用者の人数が1月あたり10人以上」に該当する法人(=減算率が引き上げられる法人)は相当数存在すると思われ、上記生活支援の基礎報酬減、及び、以前のニュースレターでもお伝えさせていただいた「区分限度支給単位数との対照方法の見直し」(=「減算後の低い単位数を足していく」という現行の仕組みを改め、「減算前の単位数を足していく」方法に変更する形で区分限度支給単位数と対照させていく=事業者によってはサービス利用回数が減ってしまう可能性あり)も踏まえると、サービス提供状況によっては相当の収益ダウンに陥る事業者も少なくないように思われます。経営としては迅速に想定シミュレーションを行い、対応策について協議・検討を進めることが重要となるでしょう。

また、上記以外の同サービスの改正テーマとしては「自立生活支援を目的としたリハ職との連携強化」「サービス提供責任者の任用要件の厳格化(=初任者研修課程修了者及び旧2級課程修了者のサ責設置は2018年度で完全終了(2019年度以降は減算措置等の対応も無し))」等も挙げられています。合わせて確認をしておきましょう。続いて、通所介護の動きについて見てまいります。




「通所介護」に関する論点(抜粋)とは

こちらも訪問介護同様、主に“基礎報酬”に影響を及ぼす可能性がある部分を抜粋して確認してまいります。こちらも大きくは2つです。

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【その1】
時間区分の変更(=2時間枠から1時間枠へ)
【その2】
大規模通所介護事業所の報酬見直し

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【その1】については、下記の図をご参照いただければ分かりやすいかと思います。
※最下部の「資料2」をご覧ください

変更に至った背景としては、「事業所の実際のサービス提供時間を見ると、7時間以上9時間未満は「7時間以上7時間半未満」にピークがあり、5時間以上7時間未満は「6時間以上6時間半未満」に、3時間以上5時間未満は「3時間以上3時間半未満」にピークがあった」という厚労省の調査結果が挙げられます。例えば、現行においては「7時間以上9時間未満」で「要介護1」の場合は656単位となっていますが、仮にこの基礎報酬が据え起きされたままで上記枠組みにスライドしたとすれば、当然ながらこの「656単位」は「8時間以上9時間未満」に適用されることになるでしょう。換言すれば「7時間以上7時間半未満」、即ち、7時間以上8時間未満のサービス提供を行っている事業者は「656単位未満の報酬しか受け取れなくなる」ことが容易に予測されます。事業者としては、決定される新報酬を基礎に「サービス提供時間の変更(=延ばすべきか否か)」を検討することが必要となるでしょう。

続いて【その2】の話題ですが、こちらについては今回の給付費分科会の資料の中で、次のような示唆が提起されています。

(1)通所介護の基本報酬は、事業所規模(地域密着型、通常規模型、大規模型(I)・(II))に応じた設定としており、サービス提供1人当たりの管理的経費を考慮し、大規模型は報酬単価が低く設定されている(通常規模型に比して、大規模型(I)は約2%、大規模型(II)は約4%)
(2)直近の通所介護の経営状況について、規模別に比較すると、規模が大きくなるほど収支差率も大きくなっている。
(3)また、直近の管理的経費の実績を見ると、大規模型におけるサービス提供1人当たりのコストは、通常規模型と比較して、大規模型(I)は約11%、大規模型(II)は約12%低い結果となっている。
※最下部の「資料3」の、「平成29年度介護事業経営実態調査」デイサービスの収支差率表をご覧ください

上記に照らし合わせれば、大規模(I)・大規模(II)の基礎報酬削減は避けて通れない、と考えるのが自然ではないでしょうか。

尚、地域密着型通所介護、及び通常規模の通所介護の基礎報酬が削減されるかどうかについては、現時点においては予測がつきづらい状況です。財務省は「中小企業の平均利益率は2.6%なんだから、それらを基準に報酬改定を検討すべきだ」と主張されているようですが、それでも通常規模の収支差率はわずか3.4%、地域密着型通所介護に至っては僅か2.0%しか上がっていない状況であることを考えると、これ以上の削減は勘弁願いたい、というのが業界としての率直な思いだと思います。

ともあれ、こればかりは蓋を開けてみないと何とも言えず、先ずは状況を静観しつつ、経営としては「仮に○%下がったとしたら、、、」という算段を予め立てておくことが必要と言えそうです。

以上が基礎報酬に直結するであろう通所介護のメイントピックスです。それ以外には「外部の通所リハ事業所等のリハビリ専門職との連携による機能訓練の積極推進(生活機能向上連携加算の創設)」「延長加算の積極的見直しは行わず」「通所介護と訪問介護が併設されている場合で、利用者へのサービス提供に支障がない場合は、基準上両方のサービスに規定がある“事務室”や基準上規定がない“玄関、廊下、階段などの設備”については共用可能とする」等の案があがっています。こちらもしっかりと資料に目を通し、理解しておかれることを強くおススメする次第です。




先手先手で社内議論・準備を進めることが大切

様々な憶測が飛び交った2018年法改正も、ようやく全体像が見えてきました。

何度も申し上げて恐縮ですが、経営者・幹部の皆様は厚生労働省「介護給付費分科会」のページにアクセスし、自社に関連する部分をしっかりと熟読すると共に、「もし、紙面通りに実行された場合、自社にはどのような影響が出てくるか?」「それら想定される影響に対し、どのような対応を行う事が最適なのか?」等について、先手先手で社内議論を始めていかれる事を是非、おススメする次第です。私たちも今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。




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