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「ポスト2025年の介護提供体制の姿」の概要を確認しておきましょう
2023年02月28日

2023年2月16日「第19回医療介護総合確保促進会議」にて公表

2023年2月16日に開催された、「第19回医療介護総合確保促進会議」。ここでは「団塊の世代」と呼ばれる方全員が75歳以上になる「2025年」に続き、新たな分岐点となる「2040年(=日本の高齢者人口がピークに近づくであろう年)」を見据えた医療・介護提供体制の姿が明確に示されました。

その資料の名前は「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」。
今回は中でも介護事業者に関連の深そうな部分を換骨奪胎・抜粋し、皆様にお伝えしてまいります。




「ポスト2025年の介護提供体制の姿」介護事業者がおさえておくべき内容・ポイントとは

では早速、内容の確認に移ってまいりましょう。
先ずは、本資料を作成するに至った背景・動機についてです(特に重要と思われる箇所には太字としています。以下同じ)。

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今後、全国的には令和22年(2040年)頃に、高齢者人口がピークを迎える中で、医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者数が高止まりする一方、生産年齢人口の急減に直面するという局面を迎えることとなる。さらに医療・介護提供体制の改革を進めていくに当たっては、こうした局面を視野に入れて、実現が期待される医療・介護提供体制の姿を関係者が共有した上で、そこから振り返って現在すべきことを考える形(バックキャスト)で具体的に改革を進めていくことが求められる。その際、医療・介護の提供体制を論ずべき地域単位でみれば、こうした変化のスピードや度合いは様々であり、地域ごとの人口構造やこれに伴う医療・介護需要の変化を見据えながら、地域ごとに適切に対応できるような形で改革を進めていく必要がある。また、既に減少に転じている生産年齢人口が令和7年(2025年)以降さらに減少が加速化することも踏まえると、必要なサービスを創出していく取組を続ける一方で、限りある人材等で増大する医療・介護ニーズを支えていくため、医療・介護提供体制の最適化や効率化を図っていくという視点も重要である。
「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」は、高齢者人口がピークを迎える中で、医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者数が高止まりする一方、生産年齢人口の急減に直面するという局面において実現が期待される医療・介護提供体制の姿として現時点で想起し得るものを、患者・利用者など国民の目線で描いたものである。

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続いて、同資料の骨格とも言えるであろう、「3つの柱」についてです。

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ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿は以下の3つの柱を同時に実現することを通じて、患者・利用者など国民が必要な情報に基づいて適切な選択を行い、安心感が確保されるものでなければならない。
1. 医療・介護を提供する主体の連携により、必要なときに「治し、支える」医療や個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護が地域で完結して受けられること
2. 地域に健康・医療・介護等に関して必要なときに相談できる専門職やその連携が確保され、さらにそれを自ら選ぶことができること
3. 健康・医療・介護情報に関する安全・安心の情報基盤が整備されることにより、自らの情報を基に、適切な医療・介護を効果的・効率的に受けることができること

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本ニュースレターでは本資料の中でも最も紙幅が割かれている上記1.について、更に深く内容を見てまいります。
それでは1つ目の柱、「医療・介護を提供する主体の連携により、必要なときに『治し、支える』医療や個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護が地域で完結して受けられること」の細分項目についてです(資料文を換骨奪胎し、一部抜粋)。

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(「治し、支える」医療と医療・介護連携)
○ 要介護になって在宅を中心に入退院を繰り返し(「ときどき入院、ほぼ在宅」)、最後は看取りを要することになっても、生活の質(QOL)を重視しながら、必要な医療・介護を受けることができる。「治し、支える」医療と個別ニーズに寄り添った介護の理念の下に地域包括ケアシステムが構築されていることが、住民の目から見て明らかになっていることが重要である。

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(地域包括ケアシステムの深化・推進)
○ 従来の施設と在宅という体系論を所与の前提とせず、在宅の場合であっても通所・訪問・泊まり・看護などのサービスを一体として利用できるような選択肢を増やしていく。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院といった施設サービスのそれぞれの特性を踏まえつつ、その機能や施設入所者への医療提供のあり方等を検討していくことが必要である。
○ 認知症の方が増えていく中で、入院期間の短縮化等の介護サービスの受け皿や医療介護の連携等の在り方の検討を進め、認知症の方本人を中心に、家族や介護者、医療機関・薬局・介護施設等が協力して対応していける体制を構築することが必要である。
○ また、地域の中に住民主導のものも含めた様々な社会資源があり、これらについてケアマネジャー等が主体となって調整を行い、医療・介護サービス等が包括的に提供されるようにすることが重要である。
○ その際、住民がより長くいきいきと地域で暮らし続けることができるよう、介護予防、地域支援事業、地域の支え合い活動を含めた地域づくりの取組を充実させ、サービス提供者と利用者とが「支える側」と「支えられる側」という画一的な関係性に陥ることのないよう、高齢者の社会参加等を進めることで、世代を超えて地域住民が共に支え合う地域が形作られていくことが期待される。

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(「治し、支える」医療や介護の担い手)
○ 必要なときに自らに寄り添った適切な医療・介護を受けることができるという実感を持てるためには、医療・介護を担う人材が、専門職としての知識や技能の基盤の上に、互いに連携しながら、生き生きと働いている姿を普段から目の当たりにできることが重要である。
○ 生産年齢人口が急減していく中で、サービスの質を確保しつつ、テクノロジーも活用し、従事者の負担軽減が図られた医療・介護の現場を実現していくことが必要である。
高齢者をはじめとする幅広い層の参画を通じた、いわゆる介護助手の活用の取組などタスクシェア・タスクシフトの促進やICT・介護ロボット等の活用、手続のデジタル化等により介護現場の生産性向上の取組を推進し、介護職員に対する相談支援等の環境整備を含めた働く環境の改善や復職支援に取り組む必要がある。それとともに、外国人の介護人材が円滑に就労・定着できる環境整備等を含め、多様な人材を適切に活用していく中で、必要な人材の確保を図っていく必要がある。こうした取組をより効果的に推進し、サービスの質を確保しつつ、人材や資源を有効に活用するため、介護サービスの質の向上、介護サービス事業者の経営の協働化・大規模化も有効である。

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(医療・介護サービス利用の起点)
○ 「治し、支える」機能を担う医療機関は、日常的な医療を提供しつつ、必要に応じて、地域の介護サービスや通いの場などの社会資源につないだり、専門的な医療機関等へ紹介したりして、患者を継続的に総合的に支える役割を担う。また、退院した患者を地域で継続的に支援する機能なども担うこととなる。
(ケアマネジメントの機能強化)
○ ケアマネジャーが適切なケアマネジメント機能を発揮できるよう、適切なケアマネジメント手法の普及・定着、ケアプラン情報や LIFE(科学的介護情報システム)情報を含め介護情報の体系化、データベース化等によるケアマネジメントの質の向上等も進めていくほか、かかりつけ医機能を担う医療機関との連携、入退院から介護サービスの利用までを含めた総合的なケアマネジメントの推進を目指す必要がある。また、人材の確保の観点からも、ケアマネジャーの待遇改善、ICT等を活用した業務効率化をはじめとした取組により、働く環境の改善を進めて行く必要がある。

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方向性の理解と共に、早めの思考・準備を

以上、今月は「第19回医療介護総合確保促進会議」の中から、「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」の資料の一部を換骨奪胎・抜粋してご紹介させていただきました。

本資料に記載された内容は今後、法改正の中で間違いなく重要な論点・テーマとして反映されていくことと思います。その意味でも介護経営者の皆様はあらためて内容・ポイントを確認すると共に、対応方法について早めに思考を進めておいた方が宜しいのではないか、と思う次第です(中には思考のみならず早々に対応を始めたほうがよいものもあるかもしれません)。

我々もしっかりと追いかけ、今後もタイムリーな情報提供を心掛けてまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。

※上記内容の参照先URLはこちら
(全部読んでも10ページしかないので、是非、全てに目を通されることをおススメします)

https://www.mhlw.go.jp/stf/index_00035.html






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