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2015年4月1日から施行される「消防法改正」の内容をおさえておきましょう
2015年01月27日

“2月6日”と言われている個別サービスの報酬改定情報を待つばかり

報酬全体の改定率が「-2.27%」であることが明示され、いよいよ個別サービスの改定数値を待つばかりとなってきた2015年介護保険法改正。

認知症向け施設の利用料上げとして「0.56%」、月1.2万円と言われる介護職員の賃上げ分として「1.65%」、そして特養やデイサービス等、各サービスの基礎報酬改定分として「-4.48%」、この3つの数値の合計(0.56%+1.65%-4.48%)として「-2.27%」となる、という計算です。(最下部の図◆(2015年1月12日の日経新聞より抜粋)◆をご覧ください)

この数値を見ても想像がつくように、今までと同じサービスを同じ仕組みで継続するだけでは報酬減となる可能性は極めて高く、事業者には今まで以上に加算等に対して積極的な姿勢が求められてくるでしょう。いずれにしても今回の改正・改定により、自社の業績がどう変化するのか?事業者としては直ぐにシミュレーションが出来るよう、情報開示に向けて先んじて準備をしておく必要があります。

他方、2015年4月1日は介護事業者に関連してもう一つ、「消防法施行令」の改正が実施されます。
介護保険法改正の情報に隠れ、意外にご存知ない方も多いと思われますので、今回のニュースレターでは、この消防施行令改正に関するポイントを確認しておきたいと思います。




消防施行令に関しておさえるべきポイントとは?

今回の施行令改正に関して、おさえるべきポイントは、大きく分けて次の2点です。

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【ポイントその1】
従来、令別表第1(6)項ハに規定されていた軽費老人ホーム等のうち、避難が困難な要介護者を主として入居や宿泊をさせている施設について、令別表第1(6)項ロに位置づけられたたこと。
(2013年3月26日発布)

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「軽費老人ホーム等」等はどんな施設を指すのか?そこには、「小規模多機能型居宅介護」「お泊り型デイサービス」も含まれます。特にお泊り型デイサービスに関しては、自治体によって「(6)項ハ」なのか「(6)項ロ」なのか、ほんの数年前までは見解が分かれていました。通常「(6)項ハ」の方が必要とされる消防設備が軽微なため、初期投資が安価で済みましたが、これらの改正により、自動火災報知機の設置等、更に消防設備の充実を迫られた事業者の方も数多くいらっしゃったと思います。

その上で、【ポイントその1】に上乗せする形で次の内容が示されました。

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【ポイントその2】
スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に、次に掲げるもので延べ面積が275㎡未満のものを追加したこと。(2013年12月27日発布)

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この文言の中にある「次に掲げるもの」の中に、上記で定めた(6)項ロが全て含まれることになりました。

その上で、「延べ面積が275㎡未満のものを追加」ということは、即ち、全ての小規模多機能やお泊り型デイサービスにスプリンクラーを設置しなければならなくなった、ということです。




早め早めに対応策を検討しておきましょう。

上記改正は前述の通り、2015年4月1日から施行されます。即ち、今年の4月以降、小規模多機能やお泊り型デイサービスを新設する場合には、始めからスプリンクラーの設置が義務付けられる、ということです。
また、この要件は原則、既存事業所が移転する場合(例えば小規模デイを通常規模に拡大するため移転する場合等)にも求められてくるものと思われます(詳細は各自治体に問い合わせる必要があります)。尚、既存施設には2018年3月31日までの経過措置が設けられています(=2018年3月31日までに設置すれば良い)。

スプリンクラーは通常では500万前後、安くても200万~300万前後の費用がかかると聞きます。「廉価な簡易型スプリンクラーも出るのでは」という話もありますが、それらの情報も現時点では定かではありません。

特に小規模&お泊り型デイサービスに関しては、次回法改正において単価が非常に厳しくなることは必至の状況です。そのような中、スプリンクラーの設置義務に対し、どう対応するか?第6期中には消費増税も確実に実施される中、あらゆる視点から検討を進めることが必要と言えます。

我々としても介護保険法のみならず、関連する様々な法分野にもアンテナを張り巡らせ、何か有益な情報が入り次第、これからも皆様にお届けしていきたいと思います。



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