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平成31年度厚労省予算案 介護経営に影響を及ぼす内容について理解しておきましょう
2019年01月31日

厚生労働省内の各部局の方針が明らかに

2019年1月18日に開催された「全国厚生労働関係部局長会議」。そこでは各部局における来年度の予算案があらためて示されており、そこから読み取れる“注力領域”は今後、介護事業者の経営にも様々な影響を及ぼしてくるものと思われます。

今回は、老健局及び社会・援護局の資料を中心に、特に介護業界として注目すべきと思われる6点の事業・予算案についてご紹介・確認させていただきます。




「平成31年度厚生労働省老健局予算(案)」おさえておくべきポイントとは

では、早速、確認してまいりましょう。先ずは1点目の事業・予算案についてです。

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【その1】新しい包括的支援事業(217億円(平成30年度) → 267億円(平成31年度)+50億円予算増)
全ての市町村で、以下の1.から4.までの事業を実施。
1.認知症施策の推進 認知症初期集中支援チームの関与による認知症の早期診断・早期対応や認知症地域支援推進員による相談対応、社会参加活動の体制整備、認知症カフェの設置や認知症の本人が集う取組を推進する。
2.生活支援の充実・強化 生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置等により、地域における生活支援の担い手やサービスの開発等を 行い、高齢者の社会参加及び生活支援の充実を推進する。
3.在宅医療・介護連携の推進 地域の医療・介護関係者による会議の開催、在宅医療・介護関係者の研修等を行い、在宅医療と介護サービスを一体的 に提供する体制の構築を推進する。
4.地域ケア会議の開催 地域包括支援センター等において、多職種協働による個別事例の検討等を行い、地域のネットワーク構築、ケアマネジメント支援、地域課題の把握等を推進する。

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中でも注目すべきは、“1.認知症施策”において新たに出てきた「社会参加活動の体制整備」でしょう。

「認知症を有する人をはじめとする高齢者の中には、これまでの経験等を生かして活躍したいとの声が少なくない。地域において「生きがい」をもった生活や認知症予防等の介護予防に資するよう、認知症地域支援推進員の取組として、新たに社会参加活動のための体制整備を地域支援事業に位置づけ、その取組を支援する」とされています。

具体的な取り組み例、及び主な経費助成内容として挙げられているのは下記の通りです。

【具体的な取り組み例】
・市町村が適当と認めた者による農業、商品の製造・販売、食堂の運営、地域活動等の社会参加に対する支援
・専門家を派遣する等、利用者に対する技術・専門知識の指導・助言
・マルシェ等イベントの開催支援
・社会参加活動を行うために必要な農業生産者や企業等とのマッチング支援
・好事例を収集し、関係者で共有するなどの普及活動

【主な経費助成例】
・作業実施の指導・訓練に関する人件費(農家等への謝礼)や介護支援が必要な場合の人件費
・作業実施のための諸経費(器具の購入)やイベント(マルシェ)の開催
・商品売上げは、支援の対象者である高齢者の有償ボランティアの謝金等として事業費に充てつつ、不足部分を支援

「人生100年時代」が叫ばれ、高齢者に対しても“はたらく(≒社会参加)”というキーワードの重要性が高まる中、自社の今後のサービス提供にも、そのコンセプトを取り込もうとされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「1市町村あたり、3カ所の実施を想定(財源の範囲内で1市町村当たり、最大5カ所まで)」ということですので、活用を検討されたい事業者の方は、早めに自治体にアプローチを試みておくことも必要かもしれません。

では、続いて、2点目についてです。

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【その2】介護施設等の整備(423億円(平成30年度) → 467億円(平成31年度)+44億円予算増)
地域密着型特別養護老人ホーム等の地域密着型サービス施設の整備に必要な経費や、介護施設(広域型を含む)の開設 準備等に必要な経費、特養多床室のプライバシー保護のための改修等に必要な経費の助成を行うとともに、地域のニーズ等に適したメニューの充実を行う。

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特に特養多床室の改修を検討されている社会福祉法人様には朗報かもしれません。

続いて3点目についてです。

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【その3】防災・減災対策の推進(19億円(平成30年度)→ 64億円(平成31年度)+45億円予算増)
介護施設等における防災・減災対策を推進するため、スプリンクラーの整備のほか、「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」を踏まえ、施設の耐震化整備等、倒壊の危険性のあるブロック塀の改修等、大規模停電時に医療的配慮が必要な入所者等の安全を確保するための非常用自家発電設備の整備に必要な経費を補助する。

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昨年に起こった天災等の被害を踏まえ、施設の防災・減災対策強化を検討されている事業者様には要注目の情報と言えるのではないでしょうか。

続いて4点目についてです。

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【その4】業務改善支援事業及びICT導入支援事業(予算額不詳・平成31年度新設)
【業務改善支援事業】
生産性向上ガイドラインに基づき業務改善に取り組む介護事業所に対して、第三者がその取組を支援するための費用の一部を助成する。
(対象事業所)
生産性向上ガイドライン(平成30年度作成)に基づき、事業所自らの業務改善に向けた取組を、本事業により後押しすることで、地域全体における取組の拡大にも資すると都道府県又は市町村が認める介護事業所。
※例えば、人材不足に関連した課題を解決することが急務である事業所、団体を通じた取組の横展開が期待できる事業所など
(手続き等)
介護事業所は業務改善計画や市町村の意見書(市町村指定の場合)を添付の上申請する。事業実施後、都道府県へ改善成果の報告を行うetc

【ICT導入支援事業】
介護分野におけるICT化を抜本的に進めるため、ICTを活用して介護記録から請求業務までが一気通貫で行うことができるよう、介護ソフト及びタブレット端末等に係る購入費用の一部を助成する。
(要件)
介護ソフトは介護記録、情報共有、請求業務が一気通貫であることetc

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務改善支援事業・ICT導入支援事業、共に「(1事業所あたり)対象経費の1/2以内(上限30万円)」が助成される案となっています。“1事業所あたり”ということを考えれば、事業者によっては有益に活用できる可能性もあるのではないでしょうか。

続いて5点目についてです。

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【その5】現任職員キャリアアップ支援事業(予算額不詳・平成31年度新設)
研修実施主体が介護施設や介護事業所に赴き実施する出前研修(初任者研修、実務者研修等)や、研修受講者が事業所近隣で集合して行う研修を実施するための経費に対し助成する(他の事業で助成される経費を除く)。

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「代替要員の確保が困難なため、外部研修等への参加が難しい」と悩まれている事業者の方にとっては要注目の内容かもしれません。

それでは最後、6点目についてです。

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【その6】外国人介護人材受入環境整備事業(9億円(平成31年度新設))
新たな在留資格「特定技能」の創設等により、今後増加が見込まれる外国人介護人材が国内の介護現場において円滑に就労・定着できるよう、以下のような取組を通じて、その受入環境の整備を推進する。
1.介護分野における特定技能1号外国人の送出しを行う外国において、介護の技能水準を評価するための試験等を実施。
2.介護技能の向上のための研修等の実施に対する支援。
3.介護の日本語学習を自律的に行うための環境整備の推進に対する支援。
4.介護業務の悩み等に関する相談支援等を実施。

(補助率)
定額補助

(実施主体)
1.→試験実施機関
2.→都道府県(間接補助先:集合研修実施施設等)
3.→民間団体(公募により選定)
4.→民間団体(公募により選定)

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海外人財の積極雇用をお考えになられている事業者は、頭に置いておいたほうが良い情報と言えそうです。




自社に関連しそうな項目・内容については更に深掘りを

以上、次年度予算案から介護事業者に関連が深そうなものを抜粋させていただきました。

繰り返しになりますが、年度予算において新設、もしくは予算増額が行われる各項目は、厚生労働省として整備・充実を進めていきたいと考えている内容と捉えることが出来るでしょう。今回はポイントをご紹介することしか出来ませんでしたが、関心があるものについては是非、ご自身で更に深く調べてみることをおススメする次第です。我々としても今後、より有益な情報・より有効な打ち手が見え次第、皆様に積極的にお伝えしてまいります。

※平成31年度厚生労働省予算案を更に深くお知りになりたい方はこちら

平成30年度 全国厚生労働関係部局長会議資料
(上記内容は老健局、社会・援護局の資料から抜粋しています)

https://www.mhlw.go.jp/topics/2019/01/tp0107-1.html





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